読書の森へ
榊原(葉っぱ)です。
夫が逝って1年半。ひとり暮らしも上手になった。
朝もゆっくり起きて(7時頃)、ひとりで朝食を食べ、洗濯をし、「さて、今日は何をしよう。」水泳教室に行ったり、読み聞かせのボランティアをしたり、孫と遊んだり、ムーランのパソコン教室だったりで、なんとなく一日は過ぎていく。
そして、気づけば本を読んでいる。読書は恰好の暇つぶしである。暇つぶしであるから、本から何かを得ようとかそんなことは思わず、毎日ずっと本を読んでいる時もあれば、全然読んでいないときもある。
ムーランも読書好きであるから、面白かった本を教えてくれる。名前も全然知らなかった作家にはまり、その作家の別の本に手を伸ばす。
誰かの家におじゃまし、本箱を覗いて、同じ本を読んでいるとか見つけると無条件の親近感を覚える。それがマイナーなものだと同志に出会えた喜びは一入だ。苦手と思っていた人も一気に好きになってしまいそう。
それにしても、次から次へと新しい小説は出てくる。私が若い頃好きだった小説家は、もう本屋の棚にはなかったりする。無性に読みたくなるが、もう本の中味は覚えていないのだ。
あー、捨てなきゃよかったなぁ、あの本。
本を読み終えて幸せな気持ちになるけれど、数日すると内容をすっかり忘れていたりする。
本を読んでいて、「あれ、なぜか私この先を知っているぞ。」と思うと、もう一冊その本があったりする。
あれれ・・・と思うが、以前読んだ時と感じ方が違っていて、それはそれで面白い。
読書の森はなかなか深いのであった。