ママ
榊原(葉っぱ)です。
孫は母親(私の娘)のことをダダと呼ぶ。ウルトラマンに出てくる怪獣ダダみたいだと娘は言う。
絵本『おとうさんはウルトラマン』(みやにしたつや)を娘にプレゼントしたことがあり、それは娘に似ているようでもあり、全く似ていないようでもある。
よくわからない。
孫がガラスのコップを割った時、もちろん割れるってわからなかったから力を入れてコンとやっちゃって割れちゃったんだから、誰も叱らなかったのに、
孫は悪いことしちゃったと思ったようだ。
割れてびっくりしたのと、おじいちゃんが大事にしていたコップを割ってしまってごめんなさいという気持ちとで不安そうな顔をしていた。
そして、娘のところへ走って行き「ママ~」「ママ~」「ママ~」と甘えた声で何度も言った。
生まれたばかりの子猫がミャーミャーと鳴くように。
「なんだ、ママって言えるじゃない。」と、私が言うと、
娘が「甘えたい時しかママって言わないんだよ。」と言った。
孫と娘と私で買い物に行った時、途中でダダを見失った。
孫が元気よく走りまわり、私がそれを追いかけていたからなのだが・・。
孫はあちこち走ってダダを探している。
私は孫に「ママーって呼んでごらん。そうしたら、はーいってママが返事をするからみつけられるよ。」と言った。
「ママって呼んでみる?」
「うん!」孫は元気よく答えた。
そ・し・て、
大きな声で
「パパー」と呼んだ。
私はずっこけた。
この子、本当にお笑いのセンスあるわ。
孫にとって「ママ」は大事な大事な言葉なんだろう。
ここぞという時にしか使わないとっておきの言葉なんだ。
その言葉でダダがいつもよりもっと優しいママになる。
いつか「かーさん」とか「おふくろ」になり、「ママ」は期間限定のとっておきの呼び方かも。
娘よ、この幸せな呼び名、
今はその幸せな気持ちをいっぱい受け止めておけ。