夫の入院
榊原(葉っぱ)です。
今年もよろしくお願いします。
年が明けてすぐ夫が入院した。
検査のための入院なのだが、その間、私はとても寂しかったし孤独だった。
入院の日の前々日、夫と大喧嘩した。
原因は些細な事。
夫がネットで買った荷物が届き、「またそんな要らないものを買って。」と私が言ったことから始まり、
お互いの性格や過去の話にまで及び、最後は夫がその商品を投げつけた。
「大丈夫、まだ冷静だ。割れないように炬燵の布団めがけて投げている。」
と、私は意外と冷めた目で見てた。
しかし、夫は興奮して息をはぁはぁしていた。
次の日の朝、私はいつもどおり「おはよう。」と言い、夫も「おはよう。」と言った。
昨日のことはすぐ忘れてしまうので、いつまでも喧嘩はしない。
いつまでもぷんぷんとはしないのだ。
「逃げるは恥だが役に立つ」し、「老化は仲直りの役に立つ」のだ。
入院の日、夫に付き添い説明を聞き、少し雑談をして、「じゃあね。頑張ってね。」とひとり家に帰った。
家でひとり食べる夕飯。話をする人もなく、あまり美味しくなかった。
ひとりで見るテレビ。一緒に笑ってくれる人はいなくて、全然楽しめなかった。
喧嘩する人もいないのだなと思った。
夫は何度も入院をしている。
今回の入院も昨年暮れに決まっていた。
それぞれ別に暮らしている息子と娘に連絡した。
息子と娘は、もう慣れてしまって「まただね。」という感じだったが、
婿(いやぁ照れるなぁ、この呼び方。要するに娘の夫)が、すごくすごく心配してくれて、
「この人って本当にいい人なんだなぁ。」と思った。
私なんか夫の入院が決まり、まず思ったことは、
「入院がひょっとして長引くと友達と行く予定の旅行に行けるか?」
と、いうことだった。
夫のことより自分の旅行の心配をしてしまうなんてなぁ。
夫も無事退院して、また二人きりの生活に戻った。
夫の入院でわかったことはM君(娘の夫)の心と私の心だ。
それもひっくるめて私と夫は仲良く(?)二人で暮らしている。