地下鉄で

ムーラン(林)です。

先日たまたま乗った地下鉄での出来事。

夕方のラッシュ時よりは少し前だったので、座席は埋まっていたが、それほど混雑している訳ではなかった。

私は扉付近に立っていた。

ある駅から男性が乗り込んできた。40〜50代位の、細身だけど背は高い男性。

なぜかその人は乗ってすぐ扉が閉まる前にしゃがみ込んで、そのままホーム側にひっくり返ってしまった。

私はアッとびっくりしたが、男性の手は扉を掴んでいるし、そのまますぐ起き上がれる体勢に見えたので「大丈夫ですか」と聞くにとどまった。

が、その人は驚いた顔のまま、起きあがろうとしない。

「起きれんもん」とちょっとふてくされた子どものように言い放ち、そのまま。

よく見たらその人はリュックに赤い「helpマーク」を付けている。何らかの障がいがあると思われた。

扉が閉まる警告ベルも鳴りはじめたので、私は焦ってもう一度「大丈夫ですか」と聞きながら、起こそうと手を貸した。

でも、いくら引っ張ってもなかなか起き上がれない。

所詮、小柄な私1人では無理なことだった。

車内には、私以外にも何人も立っている人がいて、その様子は見えていたはずである。

でも誰も手を貸してくれない。

‥‥私はキレた。

すぐ近くに立っていた、サラリーマン風の若い男性に「手伝って下さい!」とキレ気味に言ってしまった。

「ハイ」とすぐ手伝ってくれて、その間に駅員さんも来てくれて、やっと起き上がることができ、事なきを得たのだが。

なんなの!

あとでよく見たら、すぐそこの席に座っている中年男性は、屈強なラガーマン風大柄男性。

「アナタならすぐ起こせたでしょ」と思わずにはいられなかった。

いえ、言いはしませんよ、思っただけで。

でも、ホント、なんなの!

どーなってるの、みんな。

何で知らんぷり?

何だか情けなくなった、地下鉄での出来事でした。

と、ここまで書いて思い出した。(余談だけど)

私がキレ気味に手伝いをお願いしたサラリーマン、あとで私の前を通る時、なんか申し訳なさそうに頭を下げてた。

私に半ギレされて「知らないおばさんに叱られた‥」って、思ったのかも。

ゴメンネ。 ありがとう。助かりました。