頑張れ

ムーラン(林)です。

我が家のベランダからは、小学生たちの登校風景がよく見える。

私が洗濯物を干す時間帯と同じなので、干しながら毎日微笑ましく眺めている。

で、数年前から1人の女の子が泣きながら、お父さんまたはお母さんに手を引っ張られるように歩いているのを見かけるようになった。集団登校ではなくて、必ず少し遅れた時間に。

その泣き声はとても大きく、本当に心から「行きたくない」の叫び声に聞こえた。

最初の頃は「あぁ、今日も泣いてる。学校楽しくないのかな」なんて思っていた。

が、何ヶ月経っても1年経ってもあまり変わらなくて。

泣き声は続いた。

3年生位になっただろうな、と思う頃、私はふと気づいた。

お母さんでもお父さんでもないだろう女性に手を引かれ登校しているのを見かけた時に。(相変わらず泣きながらだけど。)

そうか、彼女は発達に特性があるのかな、と。

地元の小学校には特別支援学級がある。多分そのクラスに通っている子なのだと思う。たまに見かける女性は、その学級の先生または支援員さんなんだろうな、と。

彼女にとって、馴染まない環境がすごく嫌で、泣き叫んでいたのだと想像できる。

そんな風に納得してしばらく、そう言えば最近、泣き声が聞こえなくなった事に私は気づいた。

「もしかして、引越したのかな」と思っていたら、先日久しぶりにその女の子が登校する姿を見かけた。見覚えのある帽子とランドセルだったので、すぐ分かった。相変わらずお母さんと一緒ではあるが、泣いていない。

かつては手を引っ張られ「連れて行かれている」感じだったけれど、その時は手こそ繋いでいるが、明らかに彼女自身の意思で歩いていた。

カラダはとても大きくなっていたし。

私はベランダで洗濯物を干しながら「おっ、エライ」と、思わずつぶやいた。

頑張ったね。あんなに泣いていたのに。

泣かずに登校できてるね、すごいよ。

私はベランダから一方的に見ているだけのおばさんだけど、頑張った彼女に拍手をしたい。

とてもゆっくり発達しているのだろうと想像するが、それでも確実に成長している彼女に心からのエールを送ります。

頑張れ‼️