樋口有介
ムーラン(林)です。
表記は私の好きな作家である。
誰もが知っている有名作家とは言えないが、知る人ぞ知る・・・作品も多く、ファンも結構多い。
私は何きっかけで樋口氏の作品を読むようになったのかは覚えていないが、大ファンである。
ほとんどの作品は読んでいる。
この「よもやま話」でいつも書いているように、一つの作品を紹介しようと思ったのだが、
あまりに多いし、どれも甲乙つけがたく、今回は作家紹介とする。
初めて名前を聞く人もいると思うので。
代表的な作品は『ぼくと、ぼくらの夏』。
これは多分デビュー作だと思うのだが、樋口氏を語るにこの作品は外せない。
かなり前の作品なのだが、今読んでも、おそらく全く古さを感じないはず。
サントリーミステリー大賞に輝いた、青春ミステリー作品である。とても面白かった。
他に好きな作品は多々あるが、元刑事のホームレスが主人公の『枯葉色グッドバイ』はかなりのお薦め。
また、幾つか出ている柚木草平シリーズや、ちょっと切なくなる『月への梯子』もいい。
ミステリーが多いのだが、決してトリックなどが巧妙だったりする本格派ではない。
どちらかと言うと話はダラダラと進んでいく。登場人物も何となくダラダラとしている。
でも、何というか・・事件が解決していく過程での心の変化など「人」に焦点が当たっていたり、
そういった人物描写は巧妙だと思う。
そして、私が好きなのは、何と言っても文中の「会話」。
ウィットにとんでいて、絶妙。本当に面白いのだ。ハマる。
一度樋口氏に会って、直接話がしてみたい・・・と本気で思っている。
樋口有介を初めて知った方、騙されたと思って一度読んでみてください。
気軽に読める作品ばかりです。