3月11日を思う

ムーランです。

間もなく、あれから一年。
今も忘れない。私はあの時、大学で仕事中だった。
長い長い横揺れにとても怖い思いをした。
その後、テレビで観た映像は「これは現実のことか」と疑うほどの凄まじさ。
十数年前の阪神淡路大震災も目を疑うものだったが、
東日本大震災はそれをはるかに上回る衝撃だった。

そして、奇しくもその翌日は「ニンカンネット通信10号」の発送日だった。
通信の内容はもちろん、発送日の変更はできないが、「何かできないか」との思いから、
当該地域の方への通信には手書きの「お見舞い付箋」を付けた。
ただ、これも何しろ急なことだったので、すべての方に行き渡ったかどうかも確信が持てない。
通信の表紙もこの号は「南短がなくなる」という内容。
後から冷静に考えると、もしかしたら、とても不謹慎な内容だったかもしれない。
それでもその時は「被災された方が通信を手にしてくれ、少しでも暖かい気持ちになってくれたら」
との思いばかりだった。

答えは今でもわからない。
そして一年がたった。今年も通信の発送時期が来た。
この一年、私は被災地に向けて何をしてきただろう。
もちろん、頑張って義援金は継続してさせてもらっているが、
ボランティアに行くこともせず、「これでいいのか」といつも自問自答している。
でも、一つだけ、自信を持って言える。

「私は忘れない」

あの日のこと、翌日のこと、決して忘れない。
被災地にも卒業生の方が居ること、忘れない。
具体的に何もできなくても、
少なくとも私たちは、あの一年前を決して忘れないようにしたいと思う。

今年も通信が卒業生の皆さんの心に届きますように。
(最後の紙媒体通信ではありますが)