ドラマ『ダウントン・アビー』

6期、古山です。

日曜日夜、NHK『ダウントン・アビー』をご存じですか。
20世紀初頭のイギリスの貴族社会を描いた作品で、今はシリーズ3を放送中です。

タイタニック号事件で相続人の男子を失った伯爵家が、長女メアリーの結婚を通して家を守って行こうとする話で、そこに使用人たちの人間模様や第一次世界大戦などの社会的なことが複雑にからみ合っています。
シリーズ1の初回で、主人公メアリーは遠縁のマシューという弁護士と「お互いに最悪」と感じる出会いをするのですが、19世紀のイギリスの小説『自負と偏見』(ジェーン・オースティン)の中の場面に似ているなと思いました。
(ちょっと少女漫画に通じるところもあります。)
『自負と偏見』は究極の婚活小説とも言われ、映画にもなりましたが、「大した事件が起こるわけでもないのに、ページをめくる手が止まらない」と評されるところは、この番組と共通しています。

また、伝統的な家にしばられる娘と、家を出て自活しようとする娘を描いている点は、谷崎潤一郎の『細雪』に似ています。
使用人たちの仕事や環境も興味深く(執事と下僕の違いがわかった)、女性たちの服装も楽しみの一つ。
そして、マギー・スミス演じる伯爵の母バイオレットのちょっと嫌味っぽいセリフがドラマにスパイスを効かせています。
彼女は『天使にラブソングを』の修道院長、『ハリー・ポッター』の魔法学校の先生役などで有名な女優ですが、このシリーズでも気骨ある老貴族役を好演しています。

娘からも「お母さん、絶対見てるでしょ?」と電話がありました。
イギリス大好きの私が見ないわけないでしょ、録画してゆっくり見ています。