メリット先生からの手紙

榊原(葉っぱ)です。

今、紙整理をしている。父が残したたくさんの思い出を片付けるのをひと段落したところで我が家の大量に溜まっている紙たちも少し片づけようと思い立った。

しかし、これは衣類や靴や鞄などと違って時間がかかる。なぜなら、私はひとつずつ確認するからだ。

今回は写真はやめておいた。後回しにする。

若かった頃の私と今の私は大切にするものが違うから、なぜこんなものを大切に取ってあるのだろうと思うものが多々ある。

そのほとんどが子どもたちのものだ。作文、お絵かき帳、100点満点のテスト、スポーツ大会の成績、給食の献立表とか。

やっていくうちに忘れていたことに気づいたりする。こんなことあったかなと今でも思い出せないこともある。

小学生の娘は「百年後」というテーマに「この世にハゲがなくなる」という題で作文を書いていた。新しい薬ができ、技術も発達して、髪の毛を自由に好きな髪型にできるようになると説明し、結びに「〇〇先生、もう少し待っていてください。」と書いてあった。

先生のコメントが「私のためにありがとう。」とあり、私は思わず笑ってしまった。百年待てないと思うけどね。

まぁこんなことをしているから、ちっとも仕事が進まない。

メリット先生からの手紙がでてきた。

メリット先生の字で封筒に私の住所と名前が書いてあり切手も貼ってある。昭和郵便局の消印もある。

メリット先生がポストに投函したものと思われる。

内容はTグループのことだった。Tグループ後のアンケートで私だけ他のメンバーと違った感じだったことでTグループ研究の進め方を考えなければならないとのことだった。

私は人関生の中でめだった存在ではなかったし、メリット先生と親しく話したことはない。

メリット先生は大好きだったけど、雲の上の存在というか、私のことを全部見透かされていそうで少し怖かった。

それが、たったアンケートの中のことで心配で手紙をくれたのかなとますますメリット先生が好きになった。もう会えないのが寂しい。

メリット先生の言葉「手紙よりも、電話よりも、直接会いなさい。」「戦争を始めるのは男だから、止めるのはおかあさん(女性)。君たちだよ。」

私はこの二つの言葉が心に残っている。

まさに今のSNSの時代、今の国際情勢にぴったりあてはまる。

百年後はどうか世界が平和でありますように。

髪の毛がぐんぐんと生えてくる薬ができますように。