平成最後の日

榊原(葉っぱ)です。

平成最後の日はみなさんどのように過ごしましたか。
私はその日はばたばたの一日でした。

前日の29日の夜中、トントンと玄関ドアを叩く音がする。
「誰だ!!」と思っていると、ガチャガチャと鍵を開ける音がする。
「え!!」と思っていると、孫を抱っこした娘が入ってきた。
「どうしたの?」と聞くと、「喧嘩した。今日はここに泊まる。」と言う。

夫は今入院中で、今家にいるのは私一人である。
毎日寂しく暮らしている。
かわいい孫が泊まってくれるのは嬉しいが、大丈夫か。
夫婦喧嘩は犬も食わんというよ。
「今夜は泊まってもいいけど、明日は帰りなさい。」と私は許しあわてて布団を用意した。

平成最後の日、30日の午前中に娘は帰って行った。
やれやれと思ったら、スマホが鳴る。
「今回修復難しい。そちらにお世話になります。」と娘のメール。
説得しても決心は固そうで「今荷物をまとめている。」と言う。
数時間後、たくさんの荷物を積んで娘は帰ってきた。(帰ってきたというのかな?)
私は夫が入院している病院に行かねばならず、娘に留守番を頼んで病院に向かった。

病院に着き夫を見舞うと、抗がん剤で髪が抜け始めた夫は機嫌が悪い。
ベッドのシーツについた髪を惜しそうに拾っていた。
夫は闘病7年になるが今まで治療で髪が抜けたことはなく(・・・というよりも髪の毛最優先の夫は今まで髪が抜けない治療を選んできた)、
髪が抜けたことがショックのようだった。
今回は今までより強い薬で、もっと重篤な副作用がでたにもかかわらず、それは耐えることができたのに、
髪の毛だけは夫は耐えられなかったようだ。
「平成最後に髪がぬけた。」としょぼんとしていた。

家に帰ると娘と孫がいた。
あ~、そうだった。こっちの問題もあった。
今日は高校の同窓会だったらしく、それに行けなくなった娘は涙目だ。
孫は何も知らず、にこにこ笑っている。
「平成で起こったことは平成のうちに解決しなさい。」と私。
何の説得力もないが。
突然同窓会に行けなくなった理由を友達に伝えて謝っていたのだろう。(ラインで)
それに友達は返事をくれていたのだろう。(ラインで)
スマホを見ていた娘は突然「やっぱり帰る。」と言った。

「仲直りしました。」と娘からメールがきた。
やれやれ・・・。
私の説得よりも友達の言葉のが効いたのだな。
母はあまり力なし。

でも、まぁ、めでたし、めでたし。
長い一日だった。