幸せの小道具

榊原(葉っぱ)です。

夫とファミレスに行った。
「喫煙席ですか?禁煙席ですか?」と聞かれ、禁煙席に案内してもらった。
案内された席の隣の席には50~60歳くらいの女性3人が座っていた。
私は何か嫌な雰囲気を感じ、お店の人に「あの~、他の席はないですか?できれば窓際の・・。」と言ってみたが、お店の人は「あいにく空いていないです。」と言う。
いっぱい空席があるのに・・と思いながら、案内された席に座った。
私がなぜこの席を避けようとしたのかと言うと、そのおばさんたちは人の悪口をずっと言っているように感じたからである。
顔の表情、話し方、私たちを見下す感じ。
食事をするのに隣の席の話を聞くのは嫌だなと思ったのだ。
すぐ隣の席なので、話は聞こえてくる。
でも、悪口や誰かを批判している話ではなかった。普通の世間話だった。
しかし、私にはどうにも居心地が悪いのである。
話の内容というより言葉の使い方や言い方が何か嫌な印象を受ける。
聞き流そうと努力しながら、目の前の食事に集中した。

家に帰ると、娘夫婦が来て積もる話をする。聞いていて面白い。
仕事や家事の分担の不満や愚痴もあるが、嫌な気持ちにはならない。

さっきと何が違うのかと観察してみると、身振り手振り、使う言葉、ユーモアのセンス、人を受け入れる気持ち・・かな。
娘たちは人を楽しませる小道具をいっぱい持っていた。

「じゃあ、帰るね。」と言うので、私はさっき買ったばかりの食材を渡し「これ、持っていきなさい。」と言う。
帰った後、夫とふたり、「私たちってやっぱり娘が好きだよね。」とからっぽになった冷蔵庫を見て笑った。
あとに楽しく幸せな気持ちが残っていた。