父とfacebook

榊原(葉っぱ)です。
父は84歳である。
突然「スマホを買う。」と言い出した。
聞けば、長らく文通していた友だちがこの夏亡くなったと言う。
その父の友人は故郷の幼馴染で東京に住んでいた。
毎年、父は東京に遊びに行き「楽しかった。」と帰ってきた。
そして、頻繁に葉書のやりとりをしていた。
葉書は二人ともわざわざパソコンで字を打ち、旅行に行った写真などをいれていた。
定年後にパソコンを覚え、ぎっしりつまった文面(葉書は裏面ぎっしりで、時には裏面だけでなく表面半分を仕切って文章が書いてあることもあった。)を見て、内心「すごいな。」と思っていた。
友人がパソコンで字を打った葉書を送ってくるので「自分も負けないぞ。」という気持ちもあったのだろう。
いいライバルだったのだと思う。
友人が具合が悪くなり東京に行くこともなくなった。
その分葉書の回数が増えた。
友人からの葉書はユーモアがあり読むと楽しくなる文面だった。
父は葉書が届くのを楽しみにしていた。
その友人が亡くなり、何もすることがなくなったと言う。
スマホでfacebookなるものをやってみたいと言う。
スマホは画面が小さくて震える手では操作できないかもしれないからタブレットのがいいよと言うと、
翌日、主人と買いに行った。
主人がやり方を教えるが、タブレットにタッチするところから四苦八苦。
パソコンと違ってうまくいかないようだ。
パソコンでfacebookをすればいいのにと思うが、そこがまた父のこだわり。
やっとfacebookの仲間入り。
私の友だちと親戚の大学院生が友だちになってくれて、父の遊び相手になってくれている。
facebookのこともよくわかっていないから
時々とぼけたことをしてくれる。
SNSで実名を公開しては困ると思ったらしく、
突然「私の名前は本名ではありません。本名は三平です。」とコメントをいれていた。
全くの嘘。
笑わせてくれるじいちゃんである。
でも、私はそんな父が好きだ。
最近は母がタブレットで「数独」をやっている。
タブレットを買ってよかった。
父に同年輩のfacebookの友だちができたらいいなと思う。
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