書家 矢野きよ実
清水です。
先日息子の高校でPTA向けの矢野きよ実さんの書道パフォーマンスがあった。
「矢野きよ実」というと私たちの世代だと『5時SATマガジン』を連想したり、
最近だと『どですか』を思い浮かべるのでは?
名古屋弁でしゃべる小奇麗なおばさん。
最近のイメージはそんなではないだろうか。
書道をやるというのに上下真っ白な洋服で登場した彼女は
やはりすらっとしていてきれい。
でもやっぱり名古屋弁。
希望者と一緒に書道をすることになっていたが、
字を書くのがとても苦手な私は見るだけで参加。
彼女はもちろんちゃんとした書道もやるのだが、
パフォーマンスの時は筆のお尻をむんずと掴み、
心からまっすぐにつながった筆で、
今思っていること、心の中のことを、自由な書き方で作品にしていく。
参加した人たちも思い思いに書くうち、
ずーっと泣いている人、
何枚も何枚も書き続ける人、
それぞれが思いのたけをしたためていた。
実は彼女、このパフォーマンスを東北の被災地の肉親を亡くした子供たちと、
定期的に行っている。
2時間ほどの時間だけど、その間に子どもたちはたくさん書き続ける。
ずーっと「父」と書き続ける、お父さんが行方不明の子。
どうしても書くことができずにいた子がやっとかけたときには、
みんなで泣きながら喜んで。
そしてパフォーマンスが終わると
「家に持って帰れないのは預かるよ」と声をかけると、
家族の前では決して出せない、弱音や、悲しみを書いたものを置いて、
子どもたちは笑顔で帰っていくそうだ。
彼女はパートナーの事件で、テレビから離れている。
事件直後、マスコミに追われ、
風も日差しも痛くて、外に出られないほどのダメージをおったときに、
泉谷しげるに強引にひっぱりだされ、今の自分があるという。
「とにかく動こう!そして動けばつながるから。」
その思いで彼女は今活動している。
「矢野きよ実」はものすごくすてきな人でした。