「きっとなにか事情があるんだな」その後

榊原(葉っぱ)です。

何年か前に「きっとなにか事情があるんだな」という話を書いた。(調べてみたら2014年1月30日に書いていた。)
肺の病気をして手術をしている夫が会社ではぁと大きく息をするのを、
一緒に働いている事務員さんから「毎日ため息をつくな。テンション下がる。」と怒鳴られた話だ。
事務員さんは夫が病気で営業から事務職に変わってきたということは知っていたかもしれないが、
肺の病気だということは知らなかったのかもしれない。手術をしたことは知らなかったのかもしれない。
夫は結局退職をした。
その話を私にした夫は少し寂しそうな顔をしていたけど、怒っているわけでもなく、ただそんなことがあったと話しただけのようだった。
その時、私も知らずに誰かにそんなようなことを言っているのではないかと思った。
気になる行動をする人がいても「きっとなにか事情があるんだな。」と思おうと思った。
しかし、いつのまにかそんなこと忘れてしまっていた。

職場にすごく厳しい上司がいた。
理不尽なことで怒り、自分勝手で、和気あいあいとした職場の雰囲気もひっくり返してしまう・・・
当時、私はそんなふうに思っていた。
その上司が異動になり、私の職場からいなくなった。
途端にみんなの仕事がなぁなぁになった。
いなくなってみて、知らないところで私たちを守っていてくれていたんだということにも気づいた。

そして、6月。その人はまた私たちの職場に戻ってきた。
そして、ぽつりと私だけに彼女の秘密を話してくれた。
私はショックをうけた。
そんな事情があるとは思ってもみなかった。
私は自分のアホさ加減を恥じた。

その人その人にそれぞれ事情がある。
泣きたいほど悲しいことがあるのかもしれない。
病気で苦しんでいるのかもしれない。心配事があるのかもしれない。
その人は私よりもずっとずっと心優しい人なのかもしれない。

「きっとなにか事情があるんだな。」
そう心のどこかで常に思っていたい。今度こそ忘れずに・・・。