再会
ムーラン(林)です。
近くのスーパーで。その日は週1の特売日で、すごく混んでいた。
人混みの中、ふとすれ違った人と目が合った。
お互いしばらく見つめ合い、私は「えっ‥‥○○さん?」
笑顔で頷くその人に、私は「きゃー!お久しぶり!元気でしたか?」と思わず抱きつきそうになった。混んでいたのでそれは出来なかったけれど、腕に手を絡ませてしまった。
その人も「元気そうだね。最近合わないから引っ越したのかなと思ってたよ」と。
その人はかつて40年ほど前、私がバイトをしていた近所の歯科医院で、一緒に働いていた人。
歯科助手として先輩で、仕事もよく教えてくれた。
私はその頃結婚したばかりだったが、私以外の人たちはみんな小学生〜中学生の子どもを持つお母さんたちだった。主婦の大先輩たち。歯科の仕事だけでなく、主婦としてもいろんなことを教えてもらった。
そのうちの1人の、明るく元気な女性。
大柄で声も大きく、ガハハと笑い、「肝っ玉かあさん」という言葉がピッタリな感じの人で、大好きだった。
年齢相応にシワも増えていたけれど(それはお互いさまである)、相変わらず大柄でカクシャクとしている。
私は思わず「○○さん、幾つになりました?」と聞いてしまった。「80歳だよ」と。
そりゃそうですよね、私が孫も居る60代ですもの。
あれから40年。いろんな経験をし、年齢を重ねてきた。私はとっくにあの頃の○○さんの年齢を過ぎている。でも会えばやはりあの頃の気持ちに戻って、頼りになる先輩と私、その関係性は全然変わらなくて。
混雑したスーパーの中なので、あまり長話もできなかったが「元気でいようね、そしたらまた会えるよね」と言って別れた。
気分は何だか若返ったようで、嬉しくなった再会だった。

