いつもそこにあった
ムーラン(林)です。
名古屋銘菓と言えば、私は「ういろ」よりも「納屋橋饅頭」と思っていた。
その納屋橋饅頭が工場老朽化により製造中止を決めたらしい。
私は、新聞よりも少し前にネットでそのニュースを見て「え〜ウソでしょ。ウソだと言って」とショックを受けていた。その後しばらく新聞には載らなかったので「フェイクニュースかな、そうであって欲しい」と思っていた。
が、今朝の朝刊1面に店頭の行列写真とともに掲載されていた。
「本当だったんだ。。ショックすぎる」
名古屋で生まれ育ち、その上、父親は大の甘党、という私の生涯を語るに納屋橋饅頭は欠かせない。いや、大袈裟ではなくて。
来年3月で亡くなって丸3年になる父も、「もうお供えしてくれなくなるのか」と、天国で嘆いているに違いない。
今日、最寄りのスーパーでいつものように納屋橋饅頭を買おうとしたら、既に売り切れていた。。私の前にも問い合わせをしている方が居たし。。
納屋橋饅頭は、いつもそこにあった。
当たり前のようにさりげなく。
飾らず、普通のスーパーの片隅にあって、1つから購入できる、その気安さは他に代わるものがない。
もちろん、味は格別。
お酒は飲めない父も私も、ほんのり、ふんわりとしたあの酒の香りだけは大好きだった。
「いつもそこに当たり前のようにあったもの」が無くなることは、こんなにも寂しいものか。あの、昔から変わらない渋い包装紙にも、もうお目にかかれないのか。
「年明けの製造中止までには何としてもゲットして、実家の仏壇に供えたい」と心に決めた。