Wuthering Heights(嵐が丘)

6期、こやまです。

念願の『嵐が丘』原書を10ヶ月かけて読破し、心地よい虚脱状態です。

きっかけは、2018年に名古屋学院大学シティカレッジ「ブロンテ姉妹の世界に触れよう」(講師:山崎僚子先生)という講座に参加したことです。『嵐が丘』は、19世紀前後、イギリス北部の田舎に住むキャサリンとヒースクリフの愛と憎しみの物語で、その過程は親子二代に渡り、今までに何回も映画化されました。講座を受けた年は、作者のエミリー・ブロンテ生誕200年の年でもありました。

一般向けの講座であり、資料の原文抜粋がそれほど難しい物ではなかったので、一念発起して昨夏より辞書を片手に読み出したわけです。

しかし、読み始めてわかったことは、風景描写が細かく、心理描写がかなり複雑であること。会話文のヨークシャー訛りには本当に手こずったし、何個も関係代名詞や仮定法が続く所は、泣きたくなりました。キリスト教的な比喩にぶつかると、聖書も持ち出して。1ページあたりの英単語が300字ほどで、485ページ…わからない単語を辞書で引き、ノートに書くのは気の遠くなるような作業で、何度も投げ出したくなりました。

『嵐が丘』を読む前は、シェイクスピアのダイジェストや『アーサー王と円卓の騎士』を読んだけれど、今回のように原書を読むと「こういうことだったのか」と椅子から飛び上がる発見もしばしばです。若い頃は主人公の気持ちばかりに目が行きましたが、60才を過ぎると、語り部でもある家政婦ネリーの言葉に「うんうん」とうなずいてばかり。半分を過ぎる頃には、リーディングは私の生活に必須となり、特に3月からはコロナ自粛生活のおかげで、拍車がかかりました。

さすがに今はちょっと休んで、次を思案中。落ち着いたら丸善をのぞいてみます。