目ン玉事件
榊原(葉っぱ)です。
毎月1回やっている読み聞かせ仲間との定例会(ほとんどおしゃべりでちょっとだけ打合せ)で、目の話になった。メンバーの一人がテニスボールが当たって手術をした話になり、「あの時は大変だったね。」とみんなで言い合っていた時に、ふと私は一年くらい前にあった事を思い出し、その話をしたらメンバーは大笑い。
こんな話です。
私の父は顔はどう見ても日本人なのだが、色白で目の色がかなり薄い。目もちょっと落ちくぼんだ感じだ。90歳代の高齢者で耳も遠い。
ある日の夕方、私の家の戸をドンドンと叩いて「おーい、ちょっと目がおかしいから見てくれ。」と言う。
暗い玄関で見ると、なんと右の目玉がない。
私はあわてて「目ん玉どうしたの?どこで落としたの?」と聞く。父は「は?」と言うが訳のわからないことを言うので、私は急いで父を車に乗せて近くの眼科に連れて行った。
あー!!ちょっと前に診療時間が終わったところで戸が閉まっていた。それとも、午後休診だったのかも。
私は焦っていた。「どうしよう。」「どうしよう。」と思い、手が震えてきた。
そのまま大学病院の救急外来に行くことにした。
車を運転していても、がくがくと震えてくる。後ろの席で父が「そんな病院に行くほどでもないけどなぁ。」と困ったように言っている。私は「何言っているの!!大変なことだよ。」とスピードを上げる。
大学病院の救急外来の受付に着いた。受付の人が「どうしましたか。」と聞く。
私は大声で「目ン玉がないんです。どこかに落としたのかも」と言った。
しばらくしーんとなってから、受付の人が「目ン玉ありますよ。」と言った。
私は「えっ」となって、よく父の顔を見たら、父の目は真っ赤に充血しているだけだった。
目ン玉はあった。
暗い所で一度だけ確認しただけで動揺して、目ン玉を落としたと思い込んだのだった。
「それでどうしたの。」とメンバーが笑いながら聞いた。私は「すいませんでしたってすごすご帰った。」と答えた。
翌日、近くの眼科クリニックに行った。