種から根っこと葉っぱ

榊原(葉っぱ)です。

娘が結婚する前の話。
つきあっている彼のことは聞いていた。まだ会ったことはなかったが、名前だけは聞いていた。
ある日、家から30分くらいの市外のスーパーに夫と買い物に行った。
帰り道、お花がいっぱいの家を車から見た。
「わぁ、綺麗。」ふと表札を見ると、つきあってる彼と同じ苗字。
「まさかね。」と夫に言った。でも、なんだかそんな気がした。
娘が結婚してから、彼の実家にお邪魔する機会があった。
花いっぱいのそのお家だった。少し驚いたけど、やっぱりと思った。

それから、毎年5月と9月に娘のお義母さんからたくさんの花苗が届く。
種から育て、ポットに植え替え、いっぱい届けてくれる。100個はある。
今年も届けてくれた。ちょうど9月に植えた苗が花が咲いて枯れてきたので、お庭を整理していた時だった。
種から育てているので、まだ苗は小さな赤ちゃん。
毎日少しずつ大きくなっていくのが楽しみだ。
大きくなる前、花が咲く前にダメになってしまう苗もある。
ごめんね...と思う。

小さな苗が日に日に大きくなっていくのを見ると孫を思う。花が咲いて枯れていく姿は自分を思う。
時は流れる。決して止まったりはしない。
種から根っこが出て、発芽して、本葉が出て、大きくなって、花が咲き、枯れる。
そして、できた種からまた根っこが出る。
人の一生に似ている。
私が枯れてなくなってしまっても、私は続いていく。

「種から根っこと葉っぱ」...友人の花屋さんの店名でもある。ネーミングのセンスに感服する。