母とアマリリス

榊原(葉っぱ)です。
アマリリスが咲いた。
5年くらい前から毎年11月頃、母が妹と私にアマリリスをくれるようになった。
宅配業者に毎年注文をしているようだ。
それは箱入りで、鉢の中に球根が植えられてほんの少しだけ芽が出ている。
それを週に一度だけ水やりをする。(とっても簡単なんだよ。)
最初はあまり変化がないが、
少しずつ芽が出て大きくなり、蕾がついて3ヶ月くらい経って大輪の花を咲かせる。
アマリリスもひとつひとつ個性があって
去年のものとは全く違う成長過程だ。
早熟のものあり、なかなか大きくならなくて心配するものもあるが、
3月頃までにはみんな咲く。
今年は我が家は今ピンクの大輪を咲かせているが、
母の家のアマリリスはまだ芽が10センチ程出ているだけ。
同じ頃に芽を出したのにこんなにも違うものなのか。
背が高くなるものもあり低いものもあり
大きな花もありそれほどでもという花もある。
人間と同じだなあと思う。
SMAPの歌ではないが、それぞれにそれでいいのだ。
アマリリスが咲くと、母のことを思う。
母はお嬢さん育ち(バルコニーのある家に住んでいて、家には住み込みの家庭教師がいたらしいよ。)であったが、田舎出の父と結婚しそれなりの苦労もあったと思うし、
私も多分たくさん心配かけたと思うが、
泣いている姿を見たことはなかった。
母は泣かない人だと思っていた。
しかし、ある時私が
「お母さんがいて随分助けられた。子育ても塾の仕事(夜8時までやっていたので夕方から子どもたちの面倒をみてもらっていた。)を続けられたのも、お母さんがいたからできた。」と何かの話の流れでそう言ったら、
母が急に涙ぐんだのだ。
私はそんな母を見てびっくりした。
母も泣くんだとびっくりした。
そうしたら、
毎日美味しいお弁当を作ってくれた母、受験勉強している時夜食を作ってくれた母、
私の帰りが遅いのを心配する母、孫を抱いた時の母、
たまに里帰りして私たちが自宅に戻る時いつまでも手を振っていた母・・・・が
走馬灯のように思い出された。
その年からだったかもしれない。
母からアマリリスが届くようになったのは。
今年も来年もその次の年も、その次の次の年も、
アマリリス届けてほしいな。

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