合同同窓会の日ーその1

2024年5月4日の「ニンカン創立50周年の集い」という名の合同同窓会が始まる前のこと。
とても人関らしい面白い場面に出会ったように思ったので、書いておきましょ。

当日は、朝から個人的な準備に追われ「間に合うかな」と思いつつ、「♪3歩進んで2歩下がる」という感じの進み方。
同窓会のご厚意で、会場に運び込む「ハンドベル」と一緒に私の荷物も運ぶことになった。約束の時間・場所に出かけ、おまけにその荷物と一緒にタクシーに同乗し会場まで連れて行ってもらうことになった。タクシーに乗り込んで、同乗した方への最初の挨拶は「初めまして、11期の藤田です」。同乗の方は、初対面の21期生さん。ハンドベルつながりの雅子先生の思い出を話した後。その人がタクシーの運転手さんに話しかけた。

話題は運んでいる荷物がハンドベルだということ。
会話の中で、ハンドベルの歴史を教えてもらった。初めて聞く歴史はとても興味深かったけれど、運転手さんがその話を「食い気味に聴いている」様子が見えけられ、もっと興味をひかれた。

21期生さんが今から学年を超えた同窓会があり、そこで、演奏するということで話しが途切れたところで、運転手さんが話し始めた。「私も高校の卒業式で複数人で演奏する楽器を楽しく鳴したことがある」と。道理で「食い気味で聴いて」いるはず。そして、一人では鳴らすことができない楽器だから、もう演奏する機会もないと思うと話した。21期生さんは「ご一緒にどうですか?」と雅子先生ほどではないけれど、やんわりと勧誘していた。

わたしはというと、運転手さんに聞いてみたいことが山ほど思い浮かんでいたが、無粋な感じがして、聴いている人に徹していた。そのせいもあって、30分程度の乗車時間は和やかな対話で満たされていた。

ホテルに到着すると、21期生さんがハンドベルのケースを開けて、きれいに並んで運ばれたベルを見ながら、運転手さんにお礼を言っていた。わたしにはその様子が、雅子先生譲りの勧誘をしているように感じられ「面白い一日が始まった」と思えた。