『神去なあなあ日常』

ムーランです。

10月。秋・・食欲の秋・読書の秋。
表記は、私が大好きな直木賞作家、三浦しをんの作品。
珍しいことに林業を舞台にした小説である。
「卒業後はフリーターでも・・」と思っていた都会の高校生が、親と先生の策略により
卒業後なんと山奥の林業に就職させられる。
そこで様々な人たちと接し、嫌々ながらも修行し、閉鎖的・排他的な田舎に溶け込んでいく主人公。
現実離れした出来事も起こるのだが、ある意味ぶっ飛んだ人たちの「なあなあ・・」という考え方に読後はホンワカした気分になる。

三浦しをん、最近では『舟を編む』が本屋大賞1位に輝いた。
これは辞書を編纂する人たちにスポットを当てた小説なのだが、これもとても面白かった。
私も時々「言葉」の不思議に引っかかるので、妙に納得する部分も。
少し前に出た『仏果を得ず』では、文楽の世界を舞台にした小説で、これまた面白く一気読み。
すぐ感化される私は、思わず文楽を観に行ってしまった。(なかなか興味深かった)

この『神去なあなあ日常』を読み、今まで全く私の中になかった「林業」というものを考えた。
山に木があるのは当たり前なのだが、それを常に手入れする人がいること、
そうでなければ山が山として、存在できないこと。
三浦しをんさん、小説のジャンルが多岐に渡っていて、とても興味深い。
どの小説も「おそらくすごく綿密な取材をしたんだろうな」と感じる。
専門的な所にも踏み込んでいるにもかかわらず、どれも読みやすく、読んだ後はとても爽やかな気分になる。
箱根駅伝を舞台にした小説『風が強く吹いている』もおすすめ。

三浦しをんの世界を未経験の方、是非一度お試しを。
ハマりますよ~~るんるん (音符)

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