席譲られる

榊原(葉っぱ)です。

昨日、読み聞かせの仲間8名と、3月末で閉店してしまうメルヘンハウスへ行った。
メルヘンハウスが企画した「大人の絵本遠足」に参加するためだ。
絵本の講話を聞き、お店で絵本を選び、イタリア料理を食べた。

私たちは名鉄電車で金山に行きJRに乗り換えて千種で降りた。
車内はぽつぽつと空席があった。
私たちはほとんどが50代のおばさん。
一年前はまだらに空いているような時はみんなで立っていたのだが、ある事があってからは座るようにしている。
それは、立っていると若者から席を譲られるからである。
席を譲られないように率先して座っておくのである。

あるできごとというのは、この仲間たちと旅行に行った時のことだ。
電車の中は満席。私たちはこれから旅行に行くって時でまだまだ元気。
立っておしゃべりを楽しんでいた。
すると、私の前に座っている中学生か高校生の女の子が私と目が合うや否やすっと立って「どうぞ。」と席を譲ってくれたのだ。
「え!!わ・た・し?」とあたりを見回すが、私より年上のような人はいない。
思わず、自分を指差して「私?」と確かめる。女の子はこくんと頷く。
その時の私の動揺ぶりが面白かったらしい。仲間たちはくすくす笑っている。

私は自分は実年齢より若く見えると思いこんでいたのだが、若い人から見るとそうでもないらしい。
やっぱり50代のおばちゃんなんだな。
あの中学生(高校生?)は私のこといくつだと思ったのだろう。
おばあさんと思ったのかなぁ。

譲る側だと思っていたのだが、譲られる側になったのだと、ちょっと寂しくなった。
それと同時にうれしい気持ちもあった。譲ってくれた女の子のやさしさにである。
あまりにも突然だったし、譲られるなんて思ってもみないことだったので、咄嗟に「あ、いいです、いいです。こう見えてもまだ元気で、立っていられるから。」とせっかくの好意を断ってしまった。
後になって「ありがとう。」とお礼を言って座ればよかったと後悔した。

それからは私たちは空席があると率先して座るのである。

ここだけの話。
50代と言っているが、実は私はあと一年で60になる50代のおばちゃんである。
ここだけの話ね。