渡辺和子さん講演会

6期、古山です。

先日、南山大学人間関係研究センター公開講演会『置かれたところで咲く』(ノートルダム清心学園理事長 渡辺和子さん)を聞き、大変感銘を受けました。
雨にもかかわらず、会場のフラッテンホールはほぼ満席で、グラバア先生・中村先生に紹介されて登場した渡辺さんは、90分間ずっと立って話され、90才近くとは思えません。

まず、80年前に二二六事件で青年将校に殺害されたお父さんの話から始まりました。
1メートルという至近距離で、父親が43発の銃弾を浴びるのを見た渡辺さんは、たった9才でした。
その後、自分にも他人にも厳しい少女時代を過ごし、18才で洗礼を受け、聖心女子大学・上智大学院を卒業後、30才で修道会に入り、学位を取るため5年間ボストンで過ごします。

表題の『置かれたところで咲く』は、アメリカでの体験から来ています。
当時の渡辺さんは「大学院まで出たのに、こんな単純作業を。」という気持ちから不満だらけで、ある日上司から注意されました。
「あなたは時間をムダにしている。一人一人のために祈りながらやりなさい。」という言葉で、彼女は様々なことに気づかされます。
・時間の使い方は、命の使い方。
・大切なことは、行為ではなくどうやるか。
・無意味な仕事にも意味がある。
・人間は環境の奴隷でなく、主人である。
・自分が変わらなければ、どこへ行っても同じ。
・幸せは人にしてもらうのでなく、自分の心が決める。
珠玉の言葉でしょう。
メモをしながら、私もウンウンとうなづいていました。

「置かれた場所で咲く」ということは、あきらめの境地ではなく、『ここが自分の居場所だと思い、笑顔で過ごす』こと。
そして、咲けない時は、根を下へ下へ張ればいい。

帰国後、36才で岡山のノートルダム清心女子大学の学長になった渡辺さんは、今でも現役の学生を教えています。
ユーモアがあって、チャーミングで、痛快なおばあちゃまという感じですが、50才の時に2年間ウツ病になったそうで、彼女の言葉には体験からにじみ出た深さがあります。
・世の中なんか、自分の思うままにならなくて当たり前。
・「今日は私のいちばん若い日。」と思って生きる。
終演後、本当に清々しい気持ちで帰宅しました。
企画して下さった先生方に、感謝申し上げます。