【ふりかえり】2015星野先生ミニ講座『ファシリテーションを考える』

5月30日(土)、約一年ぶりに星野先生のミニ講座を開催しました。
当日は都合で杁中から歩いてこられたという相変わらずお元気な先生のもとに、28名の卒業生が集まり、賑やかに始まりました。

今回のテーマは「ファシリテーションを考える」でした。

はじめに、「独り立ちが難しい今の時代」についてお話がありました。
「自立した人であるためには『考えることができる力』『想像することができる力』『感じることができる力』が必要だが、過保護な親に育てられた子どもは与えられたことしかできず、また何でもコンピューターに頼る時代になったため、自分で考えることができない=自立できない人が増えている。

ファシリテーションと聞くと、一般的には会議などを効果的に進めるために援助促進することを考えるが、言い換えれば、相手が自分で考えて、自分で問題解決できるようにかかわる、つまり相手の自立に向けて援助促進することである」というお話でした。

次に、ファシリテーションの実際を体験するため、問題解決のエクササイズ「おもしろレジャーランド」を行いました。
7人ずつのグループに分かれ、まずは自己紹介。参加者は年代も実にさまざまでしたが、関心のあることなどを簡単に話し、本題に入る前にリラックスした雰囲気ができました。
その後各グループでファシリテーターとオブザーバーを決め、情報カードをもとに正解を導き出すという課題に取り組みました。絡み合っている情報をそれぞれ工夫しながら整理して話し合い、模造紙にレジャーランドの図を描いて完成。結果発表の後、メンバーからファシリテーターへのフィードバック、オブザーバーによるフィードバックを行いました。
感想として、ファシリテーターがしっかりとそれぞれの意見に耳を傾けてくれたことで、グループ内で意見交換が活発になったという意見や、今回はニンカン卒業生なのでうまくいったが、意見が全く出ない場だったらどうなっていたか、という声がありました。

最後に「ファシリテーターに必要なスキル」についてお話がありました。
①メンバーを信じて受け入れ、傾聴する。
それによってここでは何をいってもよいのだという気持ちが生まれる。
②良い悪いの判断はできるだけ避けてよく観察をする。
特に表情などのノン・バーバルな部分に注目する。そのことで相手はよく見てくれていると感じる。
③フィードバックを与える。
ここでも良い悪いの評価はできるだけ避けて、鏡になったつもりで見えたことを伝える。
④相手の反応を見て、自分のあり方を考える。

これらのことを心がけることが大切だとお話しされました。
また「ファシリテーターだからといって、常に何かをしなければならないということではなく、必要な時だけでいいんです。」というお話もあり、この講座を受けて、「ファシリテーション」という言葉をより深く理解できたという参加者の方も多くいらっしゃったと思います。

星野先生、どうもありがとうございました。
参加者のみなさん、ありがとうございました。

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<ふりかえり>

◆とても楽しかったです。ファシリテーション、オブザーバーの立場、大切さ。あらためて知らされた感じです。ありがとうございました!  (9期 Nさん)

◆初めはファシリテーターで緊張していたのですが、ゲームに熱中してしまいました。後のフィードバックがおもしろかったです。予想外にほめていただいたので、イイ気になりそうです。  (21期 Mさん)

◆自立する(思考力、想像力、感じる力)をもった人であることの大切さをあらためて認識しました。“今ここ”もいかにそまつ/そざつにあつかっていたかも気づくことができました。  (大学院6期 Kさん)

◆いつもながら観ること、「私は…」を主語にしてしっかり伝えること。家庭でも、職場でも、自分の人生の為にも基本の基だと、いつも思い返されます!生活にくたびれたとき、励みになります。   (5期 Nさん)

◆楽しかったです。  (9期 Wさん)

◆疲れたー!! 脳が。感想を書く元気すらない。けど、日常生活でこんなに受ける機会はない! 私のことをどう見たか、どう感じたか、言葉で伝えてもらえるって嬉しいですね。自分自身、私というものを振り返ることができました。  (23期 Kさん)

◆今まで「ファシリテーション」とはチームをぐいぐいと引っ張っていくことだと思っていたが、相手を受け入れて意見をよく聞くことで、ここでは何を言っても大丈夫なのだという場にすることが大切なのだと実感できた実習だった。時間ばかり経ってなかなかいいアイデアが出ない場面に直面したら、今日の実習を思い出して実践してみたいです。   (6期 Aさん)

◆これからの生き方にいいスパイスになりました。信頼関係!大切に築いていけるような関係をどんな場所でもできるように心がけていきたいと思いました。   (5期)

◆案内ハガキがきた時、今の自分に必要なのは“これだ~”と思い、今日は1人で参加しました。が、さすが人関ですね。初めての人ばかりなのに、違和感なく楽しい一時がすごせました。
今、学校の本部役員、仕事では支援学級児のサポーターをしています。役員では大勢の役員をまとめなくてはいけず、会議(しかもそう時間はない中で)沢山のことを決めなくてはならず、進行にいつも悩んでいます。
サポーターも子どもたちの状況が日々同じということもなく、適切な関り方に悩む日々。本日のワークで一方的に関わるのではなく、相手を信じて「待つ」という姿勢が大切だと気づかされました。  (21期 Nさん)

◆久しぶりの先生の授業でしたが、今まさに自分がかかえている課題だったので、気がつかされることがたくさんありました。普段の職場でもこうやって話し合いができたらと思います。  (12期 Yさん)

◆普段、社会生活で感じている“意見がでない”とは全く逆な意見がたくさんでて、見守っていれば良いというファシリテーターを体験することができました。さすが人関!   (17期 Sさん)

◆課題達成はできなかったものの実り多いグループでした。ファシリテーターは難しそうでした。        (25期 Sさん)

◆先生が戦争の話や今の社会に対する気持ちを話して下さり、ひきこまれました。私も同じようなことを感じています。今日、そのような話が聞けるとは思っていませんでした。怖いような未来にならないよう、日々の生活で人間関係に気を配り、よりよく生きていこうと思いました。  (24期 Hさん)

◆ いつも楽しみに参加させていただいています。毎回期待をうらぎらない内容で、何度受けても新しい気付きがあります。「ファシリテーション」と言葉は難しいけど、基本は相手やグループをよく観察し、今起こっていることに気付き、関わっていくという点で、他のコミュニケーションの講座と共通だと思いました。                    (12期 Sさん)

◆このあたたかい雰囲気の中、星野先生の元気なお姿、なごやかな場所、とてもいい雰囲気です。もう少しゲームの時間があればよかったな。
みなさんの意見から、気づき、心にひびくフレーズをいくつかいただけた。チームのメンバーもそうだし、他のチームの方の言葉からもあった。得るものがあり、参加してよかった。(何かを得るつもりできてはいるが)
仕事、友だちとの関わり、いろいろな場面で役立てるよう意識して行動したいです。   (25期 Nさん)

◆ファシリテーターが仕切るのでなく、見守ってくれているという視線を感じました。グループ内で発言の少ない人に、「あの時どんな気持ちでしたか。」と聞いて、答えてもらえたことが収穫です。初対面の人にそういうことができるのは、ニンカンのよさだと思います。  (6期 Kさん)

◆ファシリテーションの根底にあるものが「自立」という見方は、目からウロコ状態の驚きでした。組織において、ファシリテーターの具体的なはたらきかけがいまいち掴めないでいたのですが、課題を解決するために、メンバーの自立的な言動を促すという役回りであると理解しました。
星野先生の講座はいつも先生の経験に端を発した問題提起から発展した内容なので、一般的に広く浅く流布したものと違って、リアリティの持つ凄みと確立した斬新さを感じていました。これまで教えていただいたたくさんのことは、きっと先生が生きていく上で大切にされていることなのでしょう。
響いたことばがたくさんありました。ありがとうございました。  (16期 Sさん)

◆とても充実した、ノンストップの3時間半でした。
様々な期が集った30名弱でしたが、グルーピングも役割分担もスムーズで、さすがニンカン生だと感じました。私のグループには、仕事上ファシリーテーターをする場面があるという方がいて、「何かを持ち帰りたい」という思いで参加されていたり、また他の方の関わりも積極的で、とても内容の濃いものとなりました。問題解決の実習時間以上に、ふりかえりフィードバックの時間が充実していました。時間が足りないくらいでした。
それから講座内容とは別ですが、冒頭に星野先生がお話された安倍首相に対する不満、まさに私が日頃思っていることそのもので、胸がスカッとしました。   (5期 Hさん)

◆「ファシリテーション」という言葉はよく耳にするものの、意味がよくわかっていなかったのですが、今日の実習でよくわかりました。
場の流れによっては仕切ることなく見守り、受容をもって進めていくコミュニケーションの潤滑油になるといいのですね。   (11期 Sさん)

◆「見ただけで決めつけるのではなく、本人に確かめる課程が、信頼関係を作る。」の先生の言葉に納得しました。   (6期 Oさん)

◆ファシリテーションは職場、家庭、学校、人が関わるあらゆる場で活かせる!
私はオブザーバーを経験したのですが、その場にいながら何も発言せず、チームメンバーの発言、行動、表情、チームの動きなどを観察する、とても貴重な経験でした。ファシリテーターはチームに参加しながら観察もする!これは訓練が必要ですね。先生、第2弾をお願いします!!  (5期 Oさん)

◆ファシリテーターの役割を少し間違ってとらえていたことに気づきました。
今日のようにチームのメンバー全員が、積極的に活動する場合は、「何もしない」ことが良いというのは目からうろこでした。
どんどん発言して入り込んでしまう傾向がるので、これから全体を少し外側から見ることも心がけたいなと思いました。  (9期 Mさん)

◆何回か参加させて頂いていますが、いつも学びがあって仕事にも役に立っています。  (英語科13期 Oさん)

◆まず最初の「独り立ちが難しい時代」に思い当たることばかり。自立に必要な「思考・想像・感性」のお話に引き込まれました。
実習ではオブザーバー役を、終えて一番の感想は「やっぱり観察って大事!」
はじめは要領がわからずただ動きや雰囲気を時系列にメモっていましたが、進むにつれて全体や個々が放つ空気の違いがわかるように。グループの方が「仕切ること」と「ファシリテーター」との違いを発言してみえた納得できる実習でした。ありがとうございました。  (1期 Fさん)

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