榊原(葉っぱ)です。

名鉄の本線に桜駅という普通電車しか止まらない小さな駅がある。
私は高校生の時この駅で降りて学校に通っていた。駅はその頃となんら変わっていない。
私の息子もこの駅で降りて学校に通っていた。(同じ高校だからな。)
高校生だった私は母親となって時々(息子の入学式や懇談会や文化祭の時に)この駅で降りた。
駅から学校までの道は私が高校に通っていた頃とは変わっていた。
入学式の日、迷った。同じ中学から入った子のお母さんと一緒に行ったのだが、入学式の日なのにあちこち歩かせてしまい、
「榊原さん、母校だったんじゃないの?」と笑われた。

まわりの景色は変わってしまったが、桜駅は変わらない。
息子もとっくに卒業し、今はその駅で降りることはない。電車から見るだけだ。
桜駅というから春になると桜がきれいだったのだろうか。思い出せない。

だけど、ふと甦った。
私が高校生だった時、踏切を渡った所で女子生徒が線路にコンタクトレンズを落としてしまい、
電車が来る前にと、桜駅にいた生徒たちみんなで探したことを。
「あった!!」という誰かの声を思い出す。
この小さな駅が私を青春だった頃に戻してくれた。
校門前の学生ラーメン屋、雑誌セブンティーンを買った本屋、朝早くから働いていた豆腐屋のおじちゃん、おばちゃん。
どれももうないけど、私の心には残っている。
「あった!!」という声とともに。

なんで、今、2021年が明けたばかりの今、コロナ禍の今、あの桜駅のことを思い出したのだろう。
なんでもない日常の中のちいさな出来事、私はなぜかあの時のことを思い出した。

春になったら、桜駅に降りてみたい。桜は咲いているのだろうか。
その頃には新型コロナウイルスは終息しているのだろうか。