榊原(葉っぱ)です。

9月というのに残暑が厳しい。
毎年毎年暑くなっている気がする。今年の夏は暑すぎてへろへろだった。

昔も夏は暑かった。今ほどではないかもしれないけれど。
20年くらい前の話になる。
息子が小学5年生の時の夏休みの話だ。
息子がY君と自転車で常滑まで行くと言い出した。
聞くと、常滑まででっかいチャーシューの入ったラーメンを食べに行くと言う。
Y君が一度食べたのかな?とにかくでっかいチャーシューらしい。

息子は朝早くY君と出かけた。
我が家から常滑まで30キロくらい?自転車で片道6~7時間くらい?
方向音痴で時間感覚も距離感覚も乏しい私は気軽に送り出した。
すぐ帰ってくると思って。

ところが、夜になっても帰って来ない。
当時はスマホも携帯電話も誰も持っていない時代。
連絡の取りようがない。
警察に届けようと思った時に息子たちが帰ってきた。
「もう!どんだけ心配したか」と言おうと思ったら、息子が「はい。」と私に紙に包んだ何かを渡した。
自転車のかごの中にあったので、なんだかぽかぽかとあったかいものだ。
何かと思って開けてみると、でっかいチャーシューだった。
「おかあさんに見せたくて食べずに持ってきた。」と息子は言う。

じーんとなった。
そのでっかいチャーシューを食べに自転車で何時間もかけて行ったのに、私に見せたくて食べずに持ってきたのか。
この暑さの中自転車の前かごに何時間も・・・。
食べて大丈夫かと少しためらったけど、息子の気持ちがうれしくて、ぽかぽか(ほかほかじゃないよ)のチャーシューを食べた。

息子はその夜いっぱいしゃべった。
常滑まで行くのに何度も道を間違えたこと。
そのたびに道を聞いたこと。
みんな親切に教えてくれたこと。(息子の鞄の中には常滑競艇の券の裏に地図が書いてあるものがあった。当たり券ではないと思うけど。)
道を間違えたので、午前の営業時間に間に合わず、夕方まで海で遊んで待ったこと。
ラーメンを食べてあわてて帰ってきたけど、こんな時間になったこと。

そんな大変な思いをしたのに、私に食べてほしくてチャーシューを持ち帰ったんだ。
ありがとう。
息子が少し大きく見えた。

ふとその時のことを今思い出す。
今、息子はほとんど帰ってこない。会うのはお正月と盆くらいだ。
それもこちらから何度も「お正月帰ってきてね。」「お盆くらい帰って来なさい。」と何度も連絡をとって、やっと帰ってくる。
それでも、今の息子とあの時の小学5年生の息子とは何も変わっていないように感じる。

チャーシュー事件から4年後、Y君と二人っきりでイギリスにいる友に会いに行った。
その時の話は機会があったら書きますね。